Lily Hill Worksとして最初の製品、Tailored Lens Gear VMが発売になります。
この製品は、LimeTecの柳下隆之氏のリクエストによってスタートしたプロジェクトです。
スチル用のレンズとして非常に描写力の高いコシナフォクトレンダーのVMシリーズレンズを、映像制作でも使いたい。という要望の中のひとつに、ギアリングを装着して、フォローフォーカスやワイヤレスのフォーカスコントローラーを使いたい。というものがありました。
サードパーティ製のレンズギアは数え切れないほどが製品として出回っており、そのそれぞれに特徴があります。アルミ製でしっかりとしている、ゴム製で簡単に装着できる、精度はそこまで気にしない代わりに廉価であるなど・・・。
我々が、そんなあまたあるレンズギアにわざわざ手をつけたのは、VMレンズがちょっと特殊だったことと、出回っている製品で達成できていないところを埋めたい。というリクエストからなるものです。
Tailored Lens Gearはその名のとおり、レンズに合わせて”仕立てられた”ギアなので、専用設計となっています。
まず、VMレンズはマニュアルフォーカスの写真用レンズとして、フォーカスリングが指にかかりやすいデザインとなっています。これによって、サードパーティ製のギアが巻きづらいまたは滑りやすい形状です。
つづいて、そのレンズの小ささから、フォーカスリングの幅(レンズ前後方向)も狭く、ギアによってはそれ自体がはみ出してしまうものもあります。
また、レンズの小ささを最大限に活かしたい、レンズギアを装着した時に、土偶のようにギアがそのレンズの大きさに影響しないようにしたい。ということもありました。
それ以外に、シネマレンズのように使える要求として、ギア位置、ギア外径のシリーズでの統一もありました。
これらを実現するために、仕様として、
・ギアが噛む位置は、同じに揃える(ギア自体が少し前後してもフォーカスギアが噛む位置は統一できる状態)。
・外径は、レンズ自体の胴寸法が違うこともあり、「77mmのフィルターをステップアップリングで装着して、共通のフィルターを使えるようにした状態」よりも、ギア外径が大きくならないようにする。
・しっかりと固定できるようにする。
としました。
これらを実現するために、フォーカスリングの溝にぴったり嵌るギアリングの内側のデザインをし、ギアリングをはめ込む際には硬すぎるくらい(実際ギアリングの樹脂が少し削れてカスが出ることがあります)の寸法とし、使用時に不意に外れないようにしました。
装着する時には不安があるかもしれませんが、装着後は安心してお使いいただけると思います。
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